名詞の前につける a / an / the は「冠詞」と呼ばれています。日本語にはないので、使い方が難しいという声をよく聞きます。今回は冠詞についてお伝えします。
不定冠詞 (a / an)
いくつかある物や人の中から、(不特定の、つまりどれでもいいので)ひとつを取り出して可算名詞の単数の前におきます。
注)不特定の、「不可算名詞」や「可算名詞の複数形」の前に不定冠詞は不要です。
後ろの単語の最初の音 (✖綴り) が子音なら a
後ろの単語の最初の音 (✖綴り) が母音なら an
注)an になるのは nと後ろの単語の母音が「連結」し、言いやすくなるため
例)
a chair / a cat / a pencil / a university
an orange / an actor / an hour (hは発音しない)
補足
連結とは前の単語の最後の子音と、後ろの単語の最初の母音が一緒になることです。
例)an orange
× アン オレンジ
〇アノレンジ
n + o → no
不定冠詞の意味
1. ひとつの
注)通常「ひとつの、一人の」のように訳出する必要はありません。
a book / an umbrella / a dog / a cat/ a chair (椅子)
2.「~につき」
once a month 一カ月に一回
無冠詞の場合
数えられる不特定の名詞の単数形の前でも、不定冠詞が不要な場合があります。
1.本来の目的を表すとき
go to school 通学する
go to bed 寝る
be in class 授業中
2.行為を表す場合(スポーツや食事など)
eat lunch 昼食を食べる
play tennis テニスをする
3.交通手段や通信手段など
by car 車で
by email メールで
定冠詞 (the)
「話者/筆者」も「聞き手/読者」もどの名詞のことを指しているのか分かる場合(共通認識がある場合)に、全ての名詞(可算名詞の単数、複数、不可算名詞)の前におきます。
the は和訳しない場合もあるし、「その」などと訳される場合もありますが、以下のような感覚で使われるようです。
「ほらあの」
「例の」
「この前、話した」
「何のことだかわかっていると思うけど」
「~といえば、これしかないけど」
具体的には以下のような場合に使われます。
1.前に話題にのぼった名詞の前
I have a cat. The cat is missing. (行方不明)
2. 初めて話題にのぼる場合でも状況から特定できる場合
Please open the window.
窓を開けてください。
3. 唯一の物
Please look at the moon.
月を見てください。
(the sun / the earth / the universe / the sky など)
注)月の種類を表す場合は不定冠詞をつける (a full moonなど)
4. 修飾語で名詞を限定する場合
Go to the second floor.
2階へ行ってください。
5. 慣用的に使われる場合
play the piano. ピアノを弾く
in the morning 午前中
6. 固有名詞につく場合
通常固有名詞に冠詞はつきませんが、the がつくこともあります。普通名詞が使われている場合が多いようです。
the Pacific Ocean (太平洋)
the Golden Gate Bridge
注)通常「橋」の名前にthe はつかない
the New York Times
The United States
英語において冠詞はとても重要なので、使い方をしっかり確認しておきましょう。
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