『文法』は言語全体のルールですが、特定の単語や語句にのみ当てはまるルールを『語法』と呼びます。
これまでの文法の Lesson で語法についても説明している場合もあります。
Lesson 34 では、特に注意が必要な名詞の語法についてお伝えします。
Unit 2 では単数形と複数形で意味が異なる名詞についてお伝えします。
例文で確認しましょう。
1. 可算・不可算の両方で使われ、意味が異なる名詞
1-a We use recycled paper.
私達は再生紙を使用します。
★不可算名詞の paper は「紙」という意味
1-b He wrote a paper about the economic growth in this area.
彼はこの地域の経済成長に関する論文を書きました。
★可算名詞の paper(s) は「論文、新聞」などの意味
1-c I received application papers.
私は出願書類を受け取りました。
★可算名詞の papers は通例複数形で「書類」という意味
補足
application は「応募、出願」などの意味の名詞です。
通常名詞を修飾するのは形容詞で、名詞の特徴、性質、性格などを表します。
ところが、このように名詞が名詞を修飾することもあり、修飾する名詞は修飾される名詞の目的、内容、中身などを表します。
1-c の application papers の application は書類の内容や目的を表します。
このような「名詞+名詞」は複合名詞と呼ばれ、ひとかたまりで一つの単語を表していると考えることができます。
複合名詞についてはこちら↓も参考にしてください。
2-a I have some work to do.
私にはやらなければならない仕事があります。
★不可算名詞の work は「仕事、作業」などの意味
2-b This building is highly regarded as a work of architecture.
この建物は建築作品として高く評価されています。
★可算名詞の work(s) は「(本・絵画・音楽などの) 作品」という意味
3-a He was brought to ruin by gambling.
彼は賭け事で破滅しました。
*〈bring +人+ to ruin〉 は「人を破滅させる」という意味
★不可算名詞の ruin は「破滅、滅亡」という意味
3-b She visited the ruins of Pompeii.
彼女はポンペイ遺跡を訪れました。
★可算名詞の ruins は複数形で「遺跡、廃墟」という意味
その他:
room
可算名詞 部屋
不可算名詞 余地、空間、機会
wood
可算名詞 (しばしば複数形で) 森
不可算名詞 木材、まき
pain
可算名詞 (常に複数形で) 苦労、努力
不可算名詞 苦痛、痛み、苦悩
2. (可算名詞の)単数形と複数形で意味が異なる名詞
4-a He fell and broke his left arm.
彼は転んで左腕を骨折しました。
★arm(s) は単数形と複数形で「腕」という意味
4-b Nobody should be allowed to carry arms.
誰も武器の携帯を許されるべきではありません。
★ arms は複数形で「武器」という意味
5-a She replied in an arrogant manner.
彼女は横柄な態度で返答しました。
★manner は単数形で「態度、方法」という意味
5-b He has good manners.
彼は行儀がいいです。
★manners は複数形で「行儀、マナー」という意味
その他
custom
単数形と複数形 慣習
複数形 税関
day
単数形と複数形 日
複数形 時代
このように、単数形と複数形を間違えると意味が変わってしまう場合もあるので、注意が必要です。
問題
英語で言いましょう。
1-a 私達は再生紙を使用します。
1-b 彼はこの地域の経済成長に関する論文を書きました。
1-c 私は出願書類を受け取りました。
2-a 私にはやらなければならない仕事があります。
2-b この建物は建築作品として高く評価されています。
3-a 彼は賭け事で破滅しました。
3-b 彼女はポンペイ遺跡を訪れました。
4-a 彼は転んで左腕を骨折しました。
4-b 誰も武器の携帯を許されるべきではありません。
5-a 彼女は横柄な態度で返答しました。
5-b 彼は行儀がいいです。
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