今回は分詞構文についてお伝えします。
まずは分詞と分詞構文について確認しておきましょう。
Lesson 22 Unit 1 ~ Unit 4で分詞が動詞の性質をもちながら形容詞として使われることについてお伝えしました。
分詞は、接続詞と動詞の役割を兼ねて副詞句として使うことができます。この用法を分詞構文といいます。
注)それ自体でひとつの事柄を表せる表現のことを「構文」といいます。
注)句とは「主語+述語動詞」を含まない2語以上のまとまりのことです。
詳しくはこちら↓をご覧ください。
分詞構文の位置
分詞構文は主に文頭または文尾で使われます。文中で使われることもあります。
分詞構文が使われるのは:
分詞構文は比較的堅い文で使われることが多く、強調したり印象付けたりする際に使われます。
同時進行を表す分詞構文(→Lesson 22 Unit 9)は会話でもよく使われます。
分詞構文の形
主節はそのままで、従属節を分詞構文に変えます。
主節・従属節とは:
文が2つの節(SVを含む2語以上のまとまり)から成り、2つの節が対等な関係ではなくどちらかが主でどちらかが補足的に使われている場合、前者を主節、後者を従属節と呼びます。
Lesson 22 Unit 6 では、分詞構文と主節が表す内容が「同じ時」の場合についてお伝えしました。
今回は分詞構文の表す内容が主節よりも「前の時」の場合についてお伝えします。
分詞構文が表す意味
分詞構文は接続詞を省略するため、接続詞を補って訳す必要があります。
主に次にような意味を表します。
1.時
省略する接続詞:
when[while]
as soon as
など
2.理由
省略する接続詞:
because
since
as
3.付帯状況
2つの動作や状態が同時進行であることや続いて起こることを付帯状況と呼びます。
省略する接続詞:
and
4.慣用的
if の代わりに条件を表したり、though の代わりに「~だけど」という意味を表すことがあります。
それでは、実際に通常の文を分詞構文に変える方法を確認しましょう。
1. Because she had lost her wallet, she went to the police box.
→ Having lost her wallet, she went to the police box.
彼女は財布をなくしたので、(彼女は)交番へ行きました。
1.従属節の接続詞 (because) をとる。
2.主節と従属節の主語(ここでは両方 she )が同じとき、従属節の主語をとる。
注)主語が違うときは、分詞構文の先頭に従属節の主語を残します。このような分詞構文を「独立分詞構文(→Lesson 22 Unit 8)」と呼びます。
3.従属節が主節より前の時を表す時、従属節の動詞を〈having+過去分詞〉にする。
注意
分詞構文は接続詞がないため、この文は接続詞 when を補って「(彼女は)財布をなくしたとき、彼女は交番へ行きました。」と訳すこともあり得ます。
補足
ある動作の後に他の動作が続く場合、はじめの動作を分詞構文で先に書く場合(順番通りに書く場合)は、「前の時」でも完了形にする必要はない。
例)
She took a bath and went to bed.
→ Taking a bath, she went to bed.
Having taken a bath, she went to bed.
とする必要はない。
2. Because he was born and raised in Paris, he can speak French well.
→ (Having been) Born and raised in Paris, he can speak French well.
彼はパリで生まれ育ったので、(彼は)フランス語が上手に話せます。
1.従属節の接続詞 ( because ) をとる。
2.主節と従属節の主語(ここでは両方 he )が同じとき、従属節の主語をとる。
3.従属節が主節より前の時を表す時、従属節の動詞を〈having+過去分詞〉にする。
4. 通例〈having been+過去分詞〉の having been は省略されます。
3. She called him again because she had not received his answer.
→ She called him again, not having received his answer.
彼女は彼からの返事を受け取っていなかったので、(彼女は)もう一度彼に電話しました。
1.従属節の接続詞 (because) をとる。
2.分詞の直前に not を置く。
注) 従属節が否定形のときは、分詞の直前に not / never を置きます。
3.主節と従属節の主語(ここでは両方 she )が同じとき、従属節の主語をとる。
4.従属節が主節より前の時を表す時、従属節の動詞を〈having+過去分詞〉にする。
問題
次の文を通常の英文と分詞構文を使った英文に変えましょう。
1. 彼女は財布をなくしたので、(彼女は)交番へ行きました。
2. 彼はパリで生まれ育ったので、(彼は)フランス語が上手に話せます。
3. 彼女は彼からの返事を受け取っていなかったので、(彼女は)もう一度彼に電話しました。
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