Lesson 30 では特殊な文について説明します。
Unit 4 では「同格」についてお伝えします。
名詞や名詞相当語を、別の名詞や名詞相当語と言い換えたり、補足的に説明したりする関係を同格の関係と呼びます。
(1)名詞を並列させる
★コンマなしで名詞を並列させる場合と、コンマをつける場合があります。
1. My brother John is an artist.
私の兄のジョンは芸術家です。
★my brother と John が同格です。
★前の my brother は後ろの John の補足説明になっています。
補足
〈代名詞+名詞〉の形もあります。
例)we Japanese (私達日本人)
2. John, a close friend of mine, is an artist.
私の親友の一人であるジョンは芸術家です。
★John と a close friend of mine が同格です。
★後ろの a close friend of mine は前の John の補足説明になっています。
★補足する語句が2語以上の場合は、コンマと共にその名詞の後ろに置くことが多いです。
(2)名詞を of でつなげる
★〈A of B〉という形で「BというA」という意味を表します。この用法の of を同格の of と呼びます。B には名詞や動名詞が使われます。
注意)
of には「所有」の意味もありますが、同格の of は「Bが所有するA」という意味ではありません。
3. The city of Florence is visited by people all over the world.
フィレンツェ市には世界中の人々が訪れます。
(直訳:フィレンツェ市は世界中の人々に訪問されます。)
★the city と Florence が同格です。
★of は同格の of で「~という」という意味です。
4. I want to break the habit of drinking too much coffee.
私はコーヒーを飲み過ぎる習慣をやめたいです。
★the habit と drinking too much coffee が同格です。
★of は同格の of で「~という」という意味です。
注意)
the habit to drink …のように不定詞で言い換えることはできません。
動名詞で説明するのは以下のような名詞に限られています。
habit /dream / idea / purpose / custom など
同格の of については、こちら↓も参考にしてください。
(3)名詞の後に節を続ける
★名詞の後に that や whether が導く節(SVを含む2語以上) を続けて名詞の説明をすることがあります。
注意)
どんな名詞でも同格を表す節を続けることができるわけではありません。
次のような名詞に限られます。
news / fact / chance / rumor / information / report / knowledge / idea / belief / opinion / feeling / suggestion / decision / conclusion / desire / hope / expectation など
*迷ったら辞書で確認しましょう。
5. We were surprised at the news that they got married.
私達は彼らが結婚したという知らせに驚きました。
★the news と that they got married が同格です。
★that は同格の that で「~という」という意味です。
(話者は that 以下の内容が事実だと思っています)
注意)
関係代名詞の that が導く節は主語や目的語などが欠けている不完全な文ですが、同格の that が導く節は何も欠けていない完全な文です。
6. There remains the question whether this is really necessary for us.
これが本当に私達に必要かどうかという疑問が残ります。
★the question と whether this is really necessary for us が同格です。
★whether は同格節を導いて「~かどうか」という意味です。
(話者は whether 以下の内容が事実かどうかわかりません)
that については、こちら↓も参考にしてください。
(4) to 不定詞を使う
★to 不定詞を使って同格を表すことがあります。
7. It is time to go to bed.
寝る時間です。
★time と to go to bed が同格です。
★to go to bed が time の説明をしています。
注意)
不定詞で説明するのは以下のような名詞に限られています。
desire / hope / wish / intention / proposal / promise / decision / plan / ability / courage / effort / patience / reason / time / way など
こちら↓も参考にしてください。
(5)コロン( : ) やダッシュ( ― ) を使う
★コロンとダッシュは、前の語句を言い換えたり補足したりするときに使います。
8. We have two reasons: a lack of time and shortage of drivers.
私達には2つの理由があります。時間不足と運転手不足です。
★two reasons と a lack of time and shortage of drivers が同格です。
★コロンの後の a lack of time ~ が、コロンの前の two reasons の補足説明をしています。
9. These writers ― Haruki Murakami, Jun Ikeido, and Kanae Minato ― are very poplular in Japan.
これらの作家―村上春樹、池井戸潤、湊かなえ―は日本でとても人気があります。
★these writers と Haruki Murakami, Jun Ikeido, and Kanae Minato が同格です。
★ダッシュで囲まれた Haruki Murakami, Jun Ikeido, and Kanae Minato が these writers を言い換えています。
(6)語句をはさむ
★「つまり、すなわち」という意味の語句をはさんで言い換えることがあります。
10. The accident happened two weeks ago, that is, on October 16.
その事故は2週間前、つまり10月16日に起こりました。
★「つまり、すなわち」という意味の語句:
that is (to say)
namely
or
in other words
I mean
など
補足
★文法上「同格」の部類ではありませんが、関係詞の非限定用法[非制限用法 / 継続用法](コンマあり) は、先行詞の補足説明です。
例)He has two sons, who live in Tokyo.
彼には息子が2人いて、(2人とも)東京に住んでいます。
★who live in Tokyo が two sons の補足説明をしています。
こちら↓も参考にしてください。
問題
英語で言いましょう。
1. 私の兄のジョンは芸術家です。
2. 私の親友の一人であるジョンは芸術家です。
3. フィレンツェ市には世界中の人々が訪れます。
4. 私はコーヒーを飲み過ぎる習慣をやめたいです。
5. 私達は彼らが結婚したという知らせに驚きました。
6. これが本当に私達に必要かどうかという疑問が残ります。
7. 寝る時間です。
8. 私達には2つの理由があります。時間不足と運転手不足です。
9. これらの作家―村上春樹、池井戸潤、湊かなえ―は日本でとても人気があります。
10. その事故は2週間前、つまり10月16日に起こりました。
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