『文法』は言語全体のルールですが、特定の単語や語句にのみ当てはまるルールを『語法』と呼びます。
これまでの文法の Lesson で語法についても説明している場合もあります。
Lesson 34 では、特に注意が必要な名詞の語法についてお伝えします。
Unit 5 では使い分けに注意が必要な「客」と「習慣」を表す名詞についてお伝えします。
日本語訳はほぼ同じでも、英語では使い分ける単語があります。
意味を知っているだけでは十分とはいえません。どんな時に使うかにも注意しましょう。
例文で確認しましょう。
(1) 「客」を表す名詞
1. The lawyer told her client to tell the truth.
弁護士は依頼人に真実を話すように言いました。
★client は専門知識・技術などのサービスを買う客を表す。
2. That new store is full of customers.
あの新しい店は客でいっぱいです。
★customer は主に商品を購入する顧客を表す。custom (習慣) の派生語。
3. There are few shoppers at that store.
あの店にはほとんど客がいません。
★shopper はスーパーやデパートなどの買い物客を表す。customerより限定的。
その他の「客」を表す単語:
・audience 演劇・映画などの観衆、ラジオ・テレビなどの聴衆
・buyer 買い手
★不動産・車などの高額のものを買う人を指すことが多い。それに対し、shopper は日用品や食料品などを買う人を指すことが多い。
・guest 劇場・イベントなどへの招待客、レストランやホテルなどの客
・passenger バス、列車、汽船、飛行機などの乗客・旅客・船客
・visitor さまざまな場所への訪問客・来客。visit (訪問する) の派生語。
(2) 「習慣」を表す名詞
4. He has a habit of jiggling his foot.
彼には貧乏ゆすりをする癖があります。
*jiggle は「~を[が]軽くせわしなく動かす[動く]」という意味
★habit は個人的な無意識の癖・習慣を表す。社会的慣習には使えない。
補足
「~する習慣」は〈hait+of+動名詞〉のように動名詞を使って同格を表す。不定詞は使えない。
✖ He has a habit to jiggle his foot.
5. It is a Japanese custom to take off shoes indoors.
屋内では靴を脱ぐのが日本人の習慣です。
★custom は意識的に行われる個人的、文化的、社会的な習慣を表す。
★その他、practice はやや堅い語で、意識的に行われる個人的、社会的な習慣を表す。
問題
英語で言いましょう。
1. 弁護士は依頼人に真実を話すように言いました。
2. あの新しい店は客でいっぱいです。
3. あの店にはほとんど客がいません。
4. 彼には貧乏ゆすりをする癖があります。
5. 屋内では靴を脱ぐのが日本人の習慣です。
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