動詞は、直後に目的語を伴うかどうかで「自動詞」と「他動詞」の2つに分けられます。今回はそれぞれの特徴と、なぜ区別が必要なのかについてお伝えします。
まずは「自動詞」と「他動詞」の違いを確認しましょう。
自動詞:直後に目的語を伴わない動詞
他動詞:直後に目的語を伴う動詞
目的語とは
動詞が表す動作、行為、気持ちなどの対象となる物や人のことです。
目的語には名詞や代名詞が用いられます。
例)
I like apples.
like(~が好き) という気持ちの対象が apples
自動詞
自動詞の直後に目的語は続きません。
自動詞の後に続くのは、以下の通りです。
1.直後に何も続かない。(このようなケースは少ないようです)
The temperature will rise.
rise 上がる
気温が上がるでしょう。
2. 補語が続く
補語とは:「補語」は主語や目的語の説明をします。
Tom is busy.
is ~です
トムは忙しいです。
補語の busy は 主語の Tom の説明をしています。
3. 「前置詞+名詞」が続く
I will go to New York.
go 行く
私はニューヨークに行きます。
前置詞は名詞や代名詞の前におかれます。
前置詞の例)at / in / on / from / to / for / during / over / under / above / below / by / about / into / out of / along / across など
4. 「副詞」が続く
We will meet tomorrow.
meet 会う
私たちは明日会います。
副詞とは:副詞は場所、時、頻度、程度などを表します。
副詞の例)
here / there / home / abroad / today / yesterday / tomorrow / always / often / carefully / slowly / hard など
5. 「補語」「前置詞+名詞」「副詞」の組み合わせ
Tom is busy today. (補語+副詞)
I will go to New York tomorrow. (前置詞+名詞+副詞)
など
他動詞
他動詞の直後には目的語が続きます。
日本語にすると「~を」「~に」「~が」のような助詞まで入っていると考えることができます。
その後に続くのは以下の通りです。
1.直後に何も続かない。(目的語が一つだけ)
I like apples.
like ~が好きだ
私はリンゴが好きです。
2. 目的語が2つ
Tom made me lunch.
make ~を作る
made make の過去形
トムは私に昼食を作ってくれました。
3. 目的語の後に補語が続く
I found him honest.
find ~(目的語)が…(補語)だとわかる
補語の honest は目的語の him の説明をしています。
私は彼が正直だとわかりました。
4. 1. ~ 3. の文と「前置詞+名詞」や「副詞」の組み合わせ
Tom made me lunch yesterday.
トムは昨日私に昼食を作ってくれました。
など
なぜ自動詞と他動詞の区別が必要か
そもそもなぜ自動詞と他動詞を区別する必要があるのでしょうか。
1. 自動詞と他動詞で意味が違う場合があるので、2つの違いを理解する必要があります。
自動詞
I run in the park every morning.
run 走る
私は毎朝公園の中を走ります。
他動詞
I run a restaurant.
run ~を経営する
私はレストランを経営しています。
2.自動詞と他動詞の区別ができなくても、英文を理解する際は、意味さえ分かればさほど困らないでしょう。
また、発信する場合も、多少の間違いなら、言いたいことは理解してもらえるかもしれません。
ただし、正しく理解してもらうためには、やはり自動詞と他動詞の区別は必要です。
ほぼ同じ意味の自動詞と他動詞の違いを、日本語で考えてみましょう。
arrive 自動詞 / 到着する
reach 他動詞 / ~に到着する
〇 I arrived at the station. (自動詞+前置詞+名詞)
私は、駅に到着しました。
〇 I arrived. (自動詞)
私は、到着しました。
情報不足ではありますが、文法的には間違っていません。
✖ I arrived the station. (自動詞+名詞)
私は、駅到着しました。
「~に」に当たる前置詞の at が抜けています。
〇 I reached the station. (他動詞+目的語)
私は、駅に到着しました。
✖ I reached. (他動詞)
私は、に到着しました。
「に到着した」と言われると、「どこに?」と思いますよね。他動詞の直後には目的語が必要です。
✖ I reached at the station. (他動詞+前置詞+名詞)
私は、駅にに到着しました。
「にに到着した」と言われると、「にが多いよ」と思いますよね。他動詞には「~に」も入っているので、さらに「~に」を表す前置詞の at は不要です。
補足
自動詞としても他動詞としても使われる動詞もあります。この場合は、目的語が続いていなければ自動詞、続いていれば他動詞と考えることができます。
自動詞
I will leave for Paris tomorrow.(自動詞+前置詞+名詞+副詞)
leave 出発する
私は明日パリへ出発します。
他動詞
I will leave Tokyo for Paris tomorrow.
leave ~を発つ
私は明日パリへ向けて東京を発ちます。
注意
副詞と名詞を間違えないようにしましょう。
副詞は目的語にはなりません。
enjoy 他動詞 / ~を楽しむ
〇 I enjoyed the party yesterday.
私は昨日、パーティ―を楽しみました。
✖ I enjoyed yesterday.
私は昨日、を楽しみました。
「を楽しんだ」と言われると、「何を?」と思いますよね。他動詞の直後には目的語が必要です。
yesterday は名詞ではなく副詞なので目的語にはなりません。
まずは、自動詞と他動詞の大まかな違いと、なぜ区別する必要があるのかを理解しましょう。
どちらかに統一されていれば迷う必要はないのですが、そういうものなので覚えるしかないようです。
その動詞が自動詞なのか他動詞なのかにも注意して、単語の意味を覚えるようにしましょう。
その際は、arrive at the station、reach the station のように、固まりで覚えておくと便利です。
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